チカン刺繍(チカンカリ = Chikankari) は北インドのラクナウー地方に伝わる古典的な技法です。7世紀頃から盛んになり、ムガール帝国の王妃「ヌール・ジェハン」に愛されたことで有名。ヒンディ語の辞書によると、チカンは「上質な綿にほどこされた」、カリは「刺繍」という意味です。チカン刺繍はもともとラクナウーではイスラム教の宮廷で王族・貴族に用いられていました。ラクナウーを中心に発達し、19世紀後半頃に頂点を極めました。


本来、チカン刺繍は限定された刺繍方法、モチーフを用いています。イスラム教の記念堂のいたる所で施されている模様や古いイスラム教の建物、またはアクセサリーのモチーフ(腕輪や鼻ピンなど)から取られています。特に蔓草と花柄のモチーフがよく用いられています。